サロンを開こうとする際に、よく耳にするのが「コンセプト」という言葉です。 辞書を引くと「概念と書かれていますが、サロンづくりの場合は、サロンの「基本的な考え方や姿勢・特徴」という意味で使われます。
開店作業は、サロンのコンセプトに沿って進めていきますので、コンセプトがどれだけしっかり固まっているかで、今後の事業の成功度合いが変わってきます。
もし、サロンのコンセプトが固まっていないと、どのようなお客様をターゲットにするのか、どのようなメニューを提供するのか決められず、出店エリアや店舗の外装・内装などを選定することができません。
まず、ご自身のなかで誰に話してもイメージしてもらえるようなお店のコンセプトを作り上げることが大切です。
コンセプト作りですが、いきなり「コンセプトを作ってみよう」と思っても、何から考えてよいのか分からない可能性があります。
そんなときは、コンセプトを次の”5W2H”に分けて書き出してみると頭の中が整理できます。
?Why(なぜ?)
?What(どんなメニューを?)
?Who(誰に?)
?Where(どこで?)
?When(営業時間は?)
?How(どのように提供する?)
?How much(どのくらいの価格で?)
では、それぞれについて説明していきます。
まず、「なぜ、このサロンをやりたいのか?」「どのようなサロンにしたいのか?」という想いを表現します。
ここは、今後経営をしていく上で、最も大切な部分となります。
次に、ターゲットにどのようなメニュー(施術)を提供していくのか、看板メニューから書いていきましょう。
ここでの注意点は、自分が行いたいメニューではなく、ターゲットが求めているメニューを考え、ターゲット視点でメニュー開発を行うことです。
ちなみに人気メニューの多くは一般消費者が認知している施術を、そのサロンでしか受けられないメニューに差別化したものです。
既存の施術を、独自の商材の使用、今までとは違った施術方法、インパクトのある提供方法などでアレンジし、他店との差別化を狙うのが必要です。
逆に、新規性を狙いすぎて誰も聞いたことがないようなメニューや施術名から、どんな美が得られるのか想像がつきにくいのは注意が必要です。
当たれば爆発的なヒットにつながる可能性がありますが、浸透させるのにかなりの時間と費用がかかりますので、初めて開業される方にはリスクが大きすぎると思います。
また、コンセプト作りの段階で詳細な施術方法は必要ありませんが、どのようなメニューを提供するのかをある程度決めておかないと、物件探しや備品を購入する際に、必要なスペースや美容設備などの確認ができず困ることになります。
「女性」だけではなく、「年齢」や「ライフスタイル」、「年収」などの属性まで考え、最も来てほしいお客様(メインターゲット)を明確にしていきましょう。
最終的には、メインターゲットの次にお店に来てほしいお客(サブターゲット)をイメージしておくとよいと思います。
どのような立地でお店を開くのかを書きましょう。
メインターゲットとサブターゲットのお客を?で決めていますので、そのお客が存在しているエリア(駅前・住宅街・幹線道路沿いの郊外など)で候補地を絞り込みます。
サロンの立地選びはとても重要なポイントですので、詳しくは立地選定でご説明します。
何時から何時まで営業するのか?定休日はどうするのか?などを決めましょう。
今まで決めてきたメニューをどのように提供するのか(施術時間やサービス方法)を書きましょう。?サービスに力を入れるとお客の満足度は高まりますが、経費も増加します。
経費とのバランスを意識しながらお客に満足していただけるサービスの方法について考えましょう。
次の3点に注意しながらメニューの価格を決めていきましょう。
(ア)原価率(商品の粗利)を意識した価格設定
(イ)単品メニューとしての価格設定(商品単価)
(ウ)お客が最終的に支払う総額としての価格設定(客単価)
お客が「このメニュー、このサービスだったら安かったなぁ」と感じるのは施術時ではなく、代金を支払うときです。
どのようなサービスで見合った料金がいただけるのかを考えるのは重要です。
つまり、お客は会計時にそのお店について評価するということを忘れないようにしましょう。
ここまで、5W2Hを使ってお店のコンセプトを作る方法をご説明してきました。
大切なことは、ご自身の頭の中にあるイメージを文字に落として、見える化することです。
そして、???全ての項目に矛盾がないか、誰が読んでも理解できるか、を確認してください。
今後、開業されるにあたって、多くの方々の協力を得ることが必要となってきます。
融資を得る時、物件を借りるとき、工事を依頼するときなど、必ず書き出したコンセプトが役に立ちます。
理想のサロンづくりは、サロンのコンセプトづくりから始まります。
GRADBOOK Inc. (グラッドブック)
代表取締役CEO ? 布野哲也 ? ?Funo Tetsuya
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