昨今、1000円カットや1000円ネイル、必要な部位にのみ短時間で効果を出す1000円エステなど、低価格な美容サロンが増えており、認知もされています。
今回は1000円カットにスポットをあて、通常美容室との差をみていきます。
1000円カットの収益を見る上で重要なことは2つあります。
通常美容室と比べどう違うのか説明していきます。
1000円カットですからもちろん単価は1000円です。
ここでの考え方で必要なのは時間単価です。
単価8000円の美容室があったとします。
カウンセリング、シャンプー、カット、カラー、トリートメント、2度目のシャンプー、ブローなど、総合的な技術提供を要する時間が2時間30分だとします。
単価が8000円だとしても、1時間当たりの売上はどうなるでしょうか。
単価8000円 ÷ 施術時間2.5h = 1時間あたり3200円の売上
では、1000円カットではどうでしょうか。
1000円カットは無駄なサービスを削ぎ落としたカット専門店です。
もちろんシャンプーはありませんし、券売機でお会計をするという徹底した時間短縮です。
1000円カットの技術提供時間は10分〜15分くらいが目安です。
そこで同じように計算してみましょう。
単価1000円 × 1時間あたりの施術人数5名 = 1時間あたり5000円の売上
1時間あたりの売上が、単価8000円の美容室よりも高いということになります。
2.5hだと単純計算ですが12,000円の売上になります。
美容室ではもちろん、施術内容に適した材料を使用し原価が発生します。
その原価平均値は約10〜13%くらいになります。
その反面、1000円カットには必要となる原価がほとんどありません。
かかってもワックスやスプレーなどの整髪料くらいなので、原価は1%程度に抑えられます。
売上の99%が粗利という脅威の数字です。
その他に、高額な美容機器などの減価償却費用もありませんし、ガスや水道代もほとんどかかりません。
美容室と異なり、ランニングでかかってくる経費が大幅に違います。
ここまでご説明し、1000円カットは美容室より利益が上げやすいと感じたと思います。
しかし、現状は全く違います。
1000円カットは、早い・安い・いつでも行ける、などのようなファーストフードに似たような利点があります。
その利点を達成するためには、視認性が良く、認知されやすい立地が絶対条件になりますので、必然と地代家賃比率が美容室よりも高くなります。
それと、人件費率が高いのも特徴です。
理由としては、延々と施術が続く業務なので、激務であること、美容師免許保有者でカット専門店を希望するのは少数派であることが挙げられます。
まず、予約制ではない1000円カットが大多数なので、一息つける時間もなく、営業時間中は延々とカットを繰り返すという、仕事としては重労働になります。
その労働対価として、一般の美容室よりも給与が2〜5割程度高く設定してあります。
そして、美容業界自体が深刻な人手不足に陥っている中、1000円カットで働くという希望の人が少なく、給与を上げて人材を確保しているという状況です。
一番大きな原因として挙げられるのが、集客人数の問題です。
仮に、月間目標売上を200万円にするとします。
単価8000円の美容室だと、約250名の集客をすれば達成することになります。
1000円カットだとどうでしょうか?
ご存知の通り、月間2000名の集客をしなくてはいけません。
価格が低い分間口は広くなりますが、約10坪前後、セット面2〜3席で2000名の集客という数字を皆様はどう捉えますか?
シャンプー台や美容機器などを購入する必要がなく、資金的には開業難易度は低い業態ですが、継続して毎月、数千名の集客をしなくてはいけないサロンを皆様はどう捉えますでしょうか。?
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代表取締役CEO ? 布野哲也 ? ?Funo Tetsuya
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