国民的人気歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさん。
その個性的な名前からしてもそうですが、なぜ彼女は人気になったのか、マーケティングの目線で考察していきます。
彼女の名前の由来は、単純にかわいいと感じる言葉を集めて作ったそうです。
「きゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ」と意味の持たない自信がかわいいと思っている言葉を並べ、それを正式名といって楽しんでいるそうです。
つまりそこに合理的な意味が存在する訳ではなく、「カワイイ」という感性軸で言葉を集めて誕生したネーミングです。
彼女の代表曲の「つけまつける」や「PON PON PON」など、耳に残るフレーズの繰り返しで、頭から離れないような仕上がりになっています。
人によってはずっと頭の中で「PON PON うぇいうぇいうぇいうぇい?」と、無限ループのように曲を想像する人がいるようですが、それが不快ではなく、楽しい気分になったり、集中力が増す人もいるようです。
彼女の曲の歌詞は意味がある様で、本来は意味を持たせていないものが大半なようで、歌詞の重要度は低いようです。
曲としてのフレーズ・リズムが生命線で、リズムが楽しければそれでいい、というファンが多いのも見受けられます。
海外でも活躍できる彼女は歌が特段上手いという訳ではありません。
ダンスも難しい要素が少なく、一流のダンサーなどから比べると見劣りしてしまいます。
それでも世界で人気があるのは、耳から離れないリズムや真似しやすいダンス、そしてアートのような世界観のミュージックビデオを展開しているからです。
美術演出や世界観作りを担当している専門アドバイザーが存在はしていますが、運営側が彼女の個性や意見を最大限尊重し、生かすという傾向が見られます。
プロデューサーが世界観に独裁制を出しているわけではなく、本人の感性を生かすことで同年代の女性への共感を生んでいる、という構図になっています。
以前から独創性のある原宿文化は存在しましたが、彼女の影響で今までとは異なった文化が創出されたのは間違いありません。
彼女の凄さは、本人自身が文化のアイコンになっていることです。
渋谷区から「原宿カワイイ大使」にも任命され、世界に向けた日本の「かわいい(Kawaii)」文化発信の中心人物にもなっています。
また、文化のアイコンであることでグッズやイベント販売だけでなく、彼女の世界観の影響を受けるファッション、雑貨、化粧品など、様々な領域に経済的影響も与える存在になっています。
彼女は海外でも圧倒的な支持を得ています。
それは、日本のかわいい(Kawaii)文化自体が海外に受け入れられる土壌があったことに加え、きゃりー自身が日本のカワイイ(Kawaii)文化のアイコンとして位置づけられていることによります。
また、それを見越してデビュー当時から海外を意識した戦略を取ってきたことも、デビューしてわずか2年で海外ツアーというスピード成功の理由です。
・iTunesやYouTubeでの楽曲、ミュージックビデオ配信
・日本語らしい「日本語」の使用
・感性に訴えるマーケティング戦略
・カワイイ(Kawaii)文化のアイコンとしての彼女自身のブランディング
現在日本の美容業界の市場は以前の2.4兆円から2.2兆円と下がってきています。
国内での美容技術提供の単価が下がっていることも原因ですが、きゃりーぱみゅぱみゅのようにこれからのマーケティング戦略、ブランディングを構築していくことによって、世界にも積極的に発信していける美容文化が構築できると思います。
次回は日本の美容業界の市場拡大について考えていきたいと思います。
記事の著者
GRADBOOK Inc. (グラッドブック)
代表取締役CEO 布野哲也 Funo Tetsuya
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