美容室の開業や出店時に必ず必要になる資金。
融資を受けるには出店に掛かる費用の3分の1の投下資本が必要という目安が一般的な考えではありますが、そもそもいくら必要なのか疑問に思う方も多くいます。
今回は出店にはいくら必要なのかという部分と、0円でも出店できる可能性があるということをお伝えいたします。
出店規模や様々な条件によって一概にいくら費用がかかるかは明言できかねますが、開業資金を全て自己資金で補う方は少数派で、融資を必要とする方が大多数です。
融資を得るには出店に掛かる費用の3分の1の自己資金が必要という目安はありますが融資制度の現実は少し違っています。
まず、2016年9月時点では日本政策金融公庫が要件としている新創業融資制度の自己資金額は出店費用の10分の1以上です。
要は自己資金の9倍額が融資申し込み対象ということになります。
・自己資金200万円 → 融資申し込み対象上限1,800万
・自己資金300万円 → 融資申し込み対象上限2,700万
・自己資金500万円 → 融資申し込み対象上限4,500万(新創業融資の限度額は3,000万まで)
単純計算になりますが上記のようになります。
しかし美容室の場合、実際に上記のような額を申し込みをしても満額の融資を得られる可能性は極めて低いのが現状です。
むしろ満額融資を得られる可能性はないと言っていいでしょう。
ではいくらくらいが妥当なのか、という点ですが、美容室の初期開業の場合は自己資金を多く用意したとしても1,000万の上限というのが現実です。
黒字経営を数年続け、確実な信用を得られた場合はより多くの融資を得ることが可能ですが、例え500万円の自己資金があったとしても初期開業の段階では1,000万を超える融資は難易度が相当上がります。
逆に自己資金が100万円の場合、申し込み要件上900万までにはなってしまいますがそれくらいの額の融資を得られる可能性は高くなります。
初期開業では開業資金全体が約800万?1,300万くらいで出店する方が多く見受けられます。
その点を考慮すると150万さえ用意できれば理想のサロンをつくれる可能性が高くなるといえます。
自己資金150万用意し1,000万の融資を得ることができれば開業資金全体で1,150万ということになります。
上記の説明はあくまでも、綿密な事業計画書があり過去に金融事故などがないことを想定しておりますので全ての方が確実な融資を得られる保証はありませんが、堅実に美容師として勤務している方ならほとんど問題がないでしょう。
自己資金が思うように貯まっておらず、出店を先延ばしにする方もいらっしゃいます。
自己資金が0の場合は公庫でも銀行でも融資を得るのは難しいですが、50万でも100万でも用意することができる場合、資金の制約はありますが出店することが可能です。
※1,000万以上の融資を得る方法は後日公開いたします
前述したように自己資金0では融資は得られません。
しかし出店する方法はあります。
それは店舗リースという方法です。
リース会社が店舗を全て用意し、それに掛かった全ての費用をリース料として毎月支払っていくシステムです。
イニシャルコストを全てリース会社が立て替えますので、実際に現金を用意しなくても出店ができます。
例えば1,000万の出店費用が掛かった場合、仮にリース期間5年で料率2%で計算した場合、月々200,000円のリース料と家賃を支払っていけば店舗が手に入ります。
現金が0でも出店できる理想の方法ではありますが、メリットもデメリットもあります。
メリットとしては自己資金0で美容室出店が可能、減価償却が存在しない、初期開業では契約が困難な物件でも出店できる等があります。
デメリットとしては基本的にリース期間が5年から7年で設定されていますので、公庫や銀行よりも月々の支払う金額が高くなる可能性があることです。
他にも審査基準や審査方法など公庫や銀行などと異なる点はありますが、上手く活用することにより堅実な経営を目指すことが可能です。
本記事では概要をお伝えさせていただきましたので、資金調達や店舗リースについて詳細をご希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡いただければと思います。
記事の著者
GRADBOOK Inc. (グラッドブック)
代表取締役CEO 布野哲也 Funo Tetsuya
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