1000円カットは儲かるのか?

昨今、1000円カットや1000円ネイル、必要な部位にのみ短時間で効果を出す1000円エステなど、低価格な美容サロンが増えており、認知もされています。

今回は1000円カットにスポットをあて、通常美容室との差をみていきます。

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1000円カットの収益を見る上で重要なことは2つあります。

 

1 時間単価

 

2 必要経費

 

通常美容室と比べどう違うのか説明していきます。

 

1 実は単価が1万2千円?

1000円カットですからもちろん単価は1000円です。

ここでの考え方で必要なのは時間単価です。

 

単価8000円の美容室があったとします。

カウンセリング、シャンプー、カット、カラー、トリートメント、2度目のシャンプー、ブローなど、総合的な技術提供を要する時間が2時間30分だとします。

単価が8000円だとしても、1時間当たりの売上はどうなるでしょうか。

単価8000円 ÷ 施術時間2.5h = 1時間あたり3200円の売上

 

では、1000円カットではどうでしょうか。

1000円カットは無駄なサービスを削ぎ落としたカット専門店です。

もちろんシャンプーはありませんし、券売機でお会計をするという徹底した時間短縮です。

1000円カットの技術提供時間は10分〜15分くらいが目安です。

そこで同じように計算してみましょう。

単価1000円 × 1時間あたりの施術人数5名 = 1時間あたり5000円の売上

 

1時間あたりの売上が、単価8000円の美容室よりも高いということになります。

2.5hだと単純計算ですが12,000円の売上になります。

 

2 必要経費

美容室ではもちろん、施術内容に適した材料を使用し原価が発生します。

その原価平均値は約10〜13%くらいになります。

その反面、1000円カットには必要となる原価がほとんどありません。

かかってもワックスやスプレーなどの整髪料くらいなので、原価は1%程度に抑えられます。

売上の99%が粗利という脅威の数字です。

 

その他に、高額な美容機器などの減価償却費用もありませんし、ガスや水道代もほとんどかかりません。

美容室と異なり、ランニングでかかってくる経費が大幅に違います。

 

本当に儲かるのか

ここまでご説明し、1000円カットは美容室より利益が上げやすいと感じたと思います。

しかし、現状は全く違います。

1000円カットは、早い・安い・いつでも行ける、などのようなファーストフードに似たような利点があります。

その利点を達成するためには、視認性が良く、認知されやすい立地が絶対条件になりますので、必然と地代家賃比率が美容室よりも高くなります。

 

それと、人件費率が高いのも特徴です。

理由としては、延々と施術が続く業務なので、激務であること、美容師免許保有者でカット専門店を希望するのは少数派であることが挙げられます。

まず、予約制ではない1000円カットが大多数なので、一息つける時間もなく、営業時間中は延々とカットを繰り返すという、仕事としては重労働になります。

その労働対価として、一般の美容室よりも給与が2〜5割程度高く設定してあります。

そして、美容業界自体が深刻な人手不足に陥っている中、1000円カットで働くという希望の人が少なく、給与を上げて人材を確保しているという状況です。

 

一番大きな原因として挙げられるのが、集客人数の問題です。

仮に、月間目標売上を200万円にするとします。

単価8000円の美容室だと、約250名の集客をすれば達成することになります。

1000円カットだとどうでしょうか?

ご存知の通り、月間2000名の集客をしなくてはいけません。

価格が低い分間口は広くなりますが、約10坪前後、セット面2〜3席で2000名の集客という数字を皆様はどう捉えますか?

 

シャンプー台や美容機器などを購入する必要がなく、資金的には開業難易度は低い業態ですが、継続して毎月、数千名の集客をしなくてはいけないサロンを皆様はどう捉えますでしょうか。?

 

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リピート客へのマンネリ化

今回はリピート率アップに関わる内容ですが、一般的な考え方を説明します。

同じ美容サロンへ通い続ける意味を解き明かしていきます。

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同じサービスではリピートしない

あなたのサロンに、前回新規だったお客が2度目の来店をしたとします。

再来してくれたから信頼ができているだろうとたかをくくり、前回と同様な技術・サービスの提供をしたとします。

しかし、それだけではさらなるリピートにつながりにくいのが現状です。

 

2度目の来店客は、前回のような接客サービスを受けることができるだろうと安心してサロンに足を運びます。

初回の来店で感動を創造できれば、お客はさらなる期待を胸に再来店します

そこで必要なのは、さらなる期待を裏切らないサービスです。

来店を重ねても、さらなる期待を裏切らないサービスを提供し続けることで、一生涯のファンを形成することができます。

 

常に変わり続けること

三度、四度とリピートにつなげていくには、常に変わり続けることが必要です。

リピート率の高いサロンの常連客は、「相変わらずいいですね」という言葉を発するときがあります。

相変わらず、というのは変わらない技術・サービスの提供をしているかというとそうではなく、顧客の期待に応え続けているということです。

継続してファンでいてもらうには、トレーニングを重ねて、サロンスタッフが変わり続ける必要があります。

 

期待を少しでも超えるサービスを提供し続ける

常に顧客に満足を与えるように、日々の知識習得やトレーニングが必要です。

言葉を変えれば、来店するたびに期待を超えるサービスを提供できなければ失客するということです。

 

美容はトレンドに左右されます。

時代は日々変化し、顧客のニーズも多様化しています。

安定した技術の提供と、マンネリ化とは全く違う意味になってしまいますので、常に変化に応じたサロンレベルの向上が必要になります。

 

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新規客の単価と満足度を高める最低限の技術

美容サロンにおいて、顧客の単価と満足度を高めるには能力が必要です。

その能力について考えてみます。

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1 美容知識

 

2 接客技術

 

3 業務知識・遂行技術

 

この3つの知識・技術を見につけることで、客単価と顧客満足度を高められると考えます。

 

1 美容知識

美容知識のゴールは、お客様からいついかなる質問をされても即答できる状態を維持することです。

美容に疎いお客様も多いですが、特に美意識が高い方は、驚くほど美容知識を持っている方が多く存在します。

そういった方を施術しても、常に最新情報を持って迎えられる状態を作ることは重要です。

知識習得は、サロンの毎日の日課にすることが必要です。

 

2 接客技術

接客技術のゴールは、初回の来店でお客様と一生涯の関係を築くことです。

接客には、細かいプロセスとそれに対応する能力が必要です。

来店時からクロージングまで、一切のストレスを与えないことが客単価、満足度の向上につながります。

 

3 業務知識・遂行技術

業務知識・遂行技術のゴールは、技術やサービスの適正なスピードを維持し、正確な施術を終え、1秒でも早く次のお客を受け入れる体制を整えることです。

サロンスタッフには限りがあり、正確な判断をしていかないと次の顧客を受け入れられません。

これは、生産性というものに繋がります。

生産性の高いサロンは、施術スピードを維持しつつも、顧客満足度が高まる動きをしています。

 

お客様は、

美容のことをよく知らない人から施術を受けません。

接客態度の悪い、待ち時間が長い人から施術は受けません。

適正スピードを把握せず、だらだら仕事している人には施術を受けません。

 

お客様が求める当たり前の接客を当たり前にできる、という最低限の能力は必要不可ではないでしょうか。

 

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お客様の種類

一口にサロンのお客様といっても、実はいろいろな種類が存在します。

ここではその種類を解説していきます。

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お客様の種類は大きくわけて6種類

 

潜在客(Suspects):来店する可能性がある

見込み客(Prospects):来店する可能性と能力がある

新規客(Buyers):初めて来店した

顧客(Customers):3度以上来店した

得意客(Clients):定期的な頻度で来店している

ひいき客(Advocates):定期的な頻度で来店し、新たなお客を紹介する

 

潜在客

これはあなたのサロンの技術・サービスを必要と思われる方全てといえます。

ただし、サロンの技術・サービスを認知していること、サロンが技術・サービスを届けられることが前提です。

 

見込み客

潜在客との違いは、“買う能力があるかどうか”です。

例えば、いくらあなたのサロンの技術・サービスを受けたいと思っても、お金がない人は見込み客とはいえません。

特に高額な技術・サービスを提供しているサロンは見極めが必要でしょう。

 

新規客

新規客は初めて来店し「技術・サービスを受け、対価を支払ってくれる人」です。

 

顧客

顧客は「顧みてくれるお客」ということです。

英語ではCustomer(習慣になっている人)と表現します。

 

顧客は単なる来店客ではなく、「何度も来店し、サロンに行くことが習慣になっている人」のことです。

 

さて、ここからのお客様の段階が重要になってきます。

最後から二番目は、顧客から得意客への段階です。

 

得意客

この段階では、ある技術・サービスのリピーターから、いろいろな技術・サービスを受けてくれます。

いわゆる、アップセル、クロスセルというような、様々な技術・サービス・物販のラインナップを次々と購入してくれます。

サロンの提供するものは何でも信じてくれます。

この段階になると、価格を気にする必要性が薄くなります。

 

最終は、得意客からひいき客への段階です。

 

ひいき客

この段階になると、定期的に単価の高いサービスを注文するとともに、あなたの技術・サービスを知人や友人に紹介してくれるようになります。

つまり、あなたのファン客になります。

熱狂的なファンともなれば、あなたが依頼しなくても、信頼できる友人などを紹介してくれます。

 

 

このように、お客様の種類を知り、自分のお客様をこの種類に分類してみること。

そこから、それぞれのお客様別のアプローチを実施することで、よりお客様の満足を高め、より売上&利益の向上につながっていきます。

 

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女性のヘアスタイルに対する意識

ある調査結果をベースに、女性がヘアスタイルに関し、どのような意識を持っているか考察します。

下記は20〜30代の働く女性を対象にした質問内容と調査結果です。

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ヘアスタイル次第で、女性の魅力は4割増しになる

・「ヘアスタイルの完成度によって、女性の印象は変わると思いますか?」

95%が、印象が変わると回答。

 

・「ヘアスタイルが思い通りになると、女性の魅力は何割増しになると思いますか?」

平均回答「4.2割増し」

ヘアスタイル次第で、魅力が大きく変わると考える女性が多いようです。

4.2割り増しというのは感覚値ではありますが、ヘアスタイル次第で自分の魅力が140%も引き出されると考えているのは、とても大きな感覚値だと言えます。

 

逆に、スタイリングが思い通りにならない場合には、精神面にも影響がおよんでしまうようです。

・「ヘアスタイルがキマらずに気持ちが落ち込んだことがありますか?」

79%が、気持ちが落ち込んだことがあると回答。

 

・「ヘアスタイルの完成度は、その日の仕事におけるモチベーションに影響をおよぼすと思いますか?」

80%が、「そう思う」と回答。

その日のヘアスタイル次第では気持ちも落ち込み、仕事自体にも影響が出てしまうのがうかがえます。

 

スタイリングの仕上がりに点数をつけると 女性たちの自己評価は、100点満点中わずか54

しかしながら、肝心のスタイリングの腕前には自信がない女性が多いのも事実です。

・「スタイリングに苦手意識がありますか?」

84%が「そう思う」と回答。

また、「メイクやファッションはキマっているのに、ヘアスタイルだけがキマっていないことがある」という女性も87%と約9割となりました。

 

そこで、サロン(美容室・理容室など)帰りのヘアスタイリングの仕上がりを100点とした場合の判断で下記調査結果があります。

・「普段、自分で行うスタイリングの仕上がりは何点くらいだと思いますか?」

平均回答「54点」

女性たちのセルフスタイリングの完成度は、サロンの仕上がりの半分程度ということになります。

 

女性たちのヘアスタイリング事情・・・スタイリング剤だけでは不十分?

それでは、女性たちは普段、どのようなヘアスタイリングをしているのでしょうか。

・「普段ヘアスタイリングで使うアイテムはなんですか?」

1位 ドライヤー(85%)

2位 ヘアブラシ(82%)

3位 ヘアアイロン(44%)

5位 ヘアオイル(41%)

6位 ヘアワックス(41%)

 

・「使用しているスタイリングのアイテム数は?」

平均「5.8」アイテム

 

・「ヘアスタイリング剤を使っている割合は?」

77%がヘアスタイリング剤を使用していると回答

スタイリング剤を中心とした多くのアイテムを使っているにもかかわらず、ヘアスタイリングがうまくいかない女性が大半であると言えそうです。

実際に、「スタイリング剤だけでは、スタイルをキメるのに不十分だと感じることがある」女性も68%にのぼりました。

そこで、「普段のヘアスタイルの完成度をもっと高めたいと思いますか?」と聞いたところ、88%と約9割の女性が「そう思う」と回答。

ヘアスタイリングに苦手意識を感じながらも、何とか完成度を高めたいと考えている女性が多い様子がうかがえます。

 

ヘアスタイル調査結果で分かったこと

この調査結果で分かったことは、女性にとってヘアスタイルは、その日の気分や仕事のモチベーションをも左右する重要な要素であること。

サロンのような仕上がりを維持したいが、それが困難であることがわかりました。

 

この結果を受けて、サロンの皆様はどのように感じますか。

 

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美容サロンの失客原因

美容サロンに行く頻度は顧客によってまちまちですが、ここでは失客という概念を来店回数で考えます。

失客に関しての情報になりますので、来店頻度は一旦無視して考察していきます。

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美容サロンの失客率

3回来店した顧客を固定客と考えます。

なぜかというと、3回以上の来店回数になると、その後80%以上が継続して来店するからです。

固定化するための「3回来店」という数字がかなり重要度が高いことが分かります。

しかし、3回目までの来店率は全国平均30%であり、70%は失客していることになります。

この失客率は、完全なる売上損失になります。

 

失客する原因

ここではリピーしない理由を探っていきます。

 

■ 1%が身体的、体調不良により来店できなくなる

 

■ 3%が引越等の理由で来店できなくなる

 

■ 5%が友人や身内の勧めで他店へ行く

 

■ 9%が価格やメニューを比べて他店へ行く

 

■14%が技術やサービスが不満で他店へ行く

 

これらの理由を全部合わせても、失客した合計の32%にしかなりません。

顧客の大多数が離れていく理由は下記になります。

 

■68%の顧客は特に理由がない

 

特に不満もないが、またサロンに行く理由がなく失客してしまうのが現状です。

このデータを皆様はどう捉えるでしょうか。

 

他店の失客が来店する

新規のお客は他店からしたら失客した顧客です。

失客が他店へ新規客として流れてしまう。

このことを念頭に置くと、顧客への対応もおのずと変わるのではないでしょうか。

 

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美容サロンにおける価格設定の考え方

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美容サロン価格は、その技術・サービスの価値を表わすもので、顧客にとっては価格がサービスの価値を「判断する材料」となり、来店する際の意思決定の決め手となるものです。すなわち、顧客は価格が妥当かどうかを、メニューの必要度や値頃感によってそのつど決めています。したがって、顧客がそのメニューに感じる価値が価格より低い場合は、そのメニューは売れませんし、逆に感じる価値がメニューより高ければそのメニューはヒットすることになります。

しかしながら、来店してもらう為に、メニューにかかるコストやサロンの利益を無視した価格設定を行うと、サロン経営に深刻なダメージを与える可能性もあります。

これらを考慮すると、価格設定の基本は、経費から判断して、施術すると損をする下限の価格と、顧客が来店してくれる上限の価格の範囲内で決まることになります。

また、サロンが設定する価格は競合サロンの価格政策に影響を与えることも忘れてはなりません。低価格化競争は、競合サロンとお互いの首を絞め合うことにつながる可能性もあります。これらのことを考えると、価格政策がサロンにとっていかに重要な経営課題であるかが分かります。

そのため価格設定は、メニューの特性や広告宣伝費などを総合的に判断して、サロンにもっとも適した方法を検討する必要があるのです。現在、サロンがどのような価格設定の方法をとっているのか、それが適切かどうかを定期的に確認することが必要です。

価格は、前述の設定可能範囲のなかで景気に伴う需給動向、競合状況などさまざまな要素が加味、集約されて決定されるため、絶対的な設定方法はありません。通常は経費・需要・競合サロン状況の3つの要素を踏まえたうえで価格が決められています。

 

経費を考慮して決める方法

価格がいくらであれば原価を回収して適切な利益を得ることができるか、ということを考慮して価格を決める方法です。美容サロンの場合は飲食店や小売業と違い、圧倒的に原価が安く抑えられます。ですので、ただ単に材料費から求めるのではなく、家賃や人件費、毎月かかる広告宣伝費などの経費を加味するのが適切です。

需要を考慮して決める方法

顧客サイドに立った考え方で、「いくらなら来店してもらえるか」ということを考慮して価格を決める方法です。このような視点から価格を設定する場合には、次の方法が考えられます。

 

(1)知覚価値価格設定方式

メニューの価値をユーザーがいくらでとらえるか、という知覚価値をなんらかの方法で測定し、それを基準に価格を決める方法です。つまり、最初に「売れる価格」を認識し、それに原価・施術時間・サービスを合わせていく方法です。
たとえば、新メニューとして美容ヘッドスパを開発し、来店した顧客に「2000円ならやってみたいが3000円ならやらない」という声を聞いた場合、原価を下げ、2000円でも十分な利益がでるようにするといった考え方です。原価だけでなく、それに合わせ施術時間も短縮する必要があります。

 

(2)需要差別価格設定方式

需要に差がある市場セグメント(区分)ごとに価格を設定する方法です。時間帯(朝のオープン時・昼間、夜など)、顧客(女性)、期間(12月などの繁忙期)などのセグメントごとに価格を設定します。

競合サロンを考慮して決める方法

競合サロンの価格を考慮して価格を決定する方法です。したがって、決定した価格に適合するようにサービスを調整する必要があります。

 

(1)市場価格より低く設定する方式

低価格により薄利多売を行い需要の拡大を図るか、あるいは競合サロンのシェアを奪回しようとする場合に用いられます。しかし、こうした戦略はしばしば価格競争を招き、サロン同士がダメージを受けるだけ、という結果にもなりかねないため注意が必要です。個人サロンの場合、こうした価格競争に巻き込まれた場合不利であり、この価格設定方法はあまり個人サロン向きとはいえません。

 

(2)市場価格より高くまたは同一価格に設定する方式

販売価格を市場価格と同一または高く設定する戦略は、サロンのメニューが技術、接客、サービスなどの点において、競合サロンよりも優れている場合にのみ用いられます。

 

ロスリーダー(目玉メニュー)価格政策

特定のメニューを来店しやすいメニューとして価格を安く設定し、それを広告宣伝として多くの顧客を集め、ほかのメニューを合わせることによって一定の利益を確保する方法です。この政策を成功させるためには、目玉メニューが次のようなものであることが求められます。

 

・一般的に広く普及している技術

 

・所得層やターゲットに関係なく誰でもやりたがるメニュー

 

心理的価格政策

心理的価格政策とは、顧客があるメニューに対してもつ独特な購買心理に適した価格設定の方法です。具体的には次のようなものがあります。

 

(1)端数価格

たとえば、2000円の代わりに1980円としたり、1万円の代わりに9800円と付けた価格のことです。端数価格を付けることによって、「メニューは最大限の効果が最低価格にまで下げられている」という印象を消費者に与え、売り上げを増やすことができます。

 

(2)慣習価格

顧客が慣習的に認める価格があります。ターゲットにより月の美容代は決まっており、ヘアカットにはいくら、ヘアカラーにはここまでしか出さない、というのが決まっています。このような慣習価格が存在する場合には、これより高くすると顧客に敬遠され、売り上げが減少することがあります。

 

(3)名声価格

顧客が価格によって技術・サービスを評価する傾向が強い場合があります。安い価格にしてしまうと敬遠され、高い価格を付けることで信頼を得られる場合があります。この政策はサロンブランディング、個人ブランディングが重要となります。

 

ここでは価格を設定する際の基本的な視点と手順をまとめています。
まず、その価格を設定することでサロンをどのようにしたいのか「目的」を明らかにします。これによってとるべき設定方法が区分されます。
最終的には、経費・需要・競合状況という3つの要因だけでなく、技術・接客・サービスなどさまざまな内部要因をも加味して決定することになります。

 

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美容サロンにおけるターゲットの選定

技術や接客は問題ないのに集客に結びつかない。
リピートや指名に繋がらない。
なにが問題なのかわからないという人は多いのではないでしょうか。

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集客できない理由がわかれば誰も苦労はしませんが、マーケティング(売れる仕組み)の見直しは必要です。
なぜなら、サロンに興味がある人、必要としている人以外にアプローチしている可能性があるからです。

押しても手ごたえのない顧客に商品訴求しても空振りに終わる可能性が特大でしょう。
顧客の潜在ニーズを掘り起こすことができたとしても、それがコンスタントに続くとは限りませんし、むしろ一回で終わってしまう可能性があります。

まずその原因は、ターゲットの選定にある可能性があります。

ターゲットの選定方法

・セグメンテーション
・ターゲティング
・ポジショニング

というステップを踏んでいきます。

セグメンテーション|顧客のグルーピング

セグメンテーション(細分化)とは市場と顧客をグルーピング(グループ分け・組み分けのこと)するターゲティングの準備段階です。
このセグメンテーションによって方向性の定まった軸をもとにターゲティングを行います。

まずはサロンに最も適合するセグメントを見つけるためにグルーピングをします。
市場をいくつかの軸によってグルーピングしましょう。
グルーピングを行ったら高い可能性で顧客を取り込めそうな市場を探します。

グルーピング・細分化の項目

・地理的変数:居住地域・気候
・人口動態変数:人口数・年齢・性別
・心理的変数:ライフスタイル・社会的地位
・行動変数:購買状況・使用頻度

このように分けてターゲティングにつなげるようにするのがセグメンテーションの目的です。
最も重要視されるのは顧客の心理的変数です。
現在のマーケティングでは顧客の購買決定要因としてみられます。

ターゲティング|サロンの強みを発揮でき、ニーズのある市場を選定

ターゲットの選定です。
セグメンテーションで切り分けられたグループをいくつか選びます。
そこで切り分けられた市場には

・将来性
・サロンの強みは発揮できるか

特に上記2つのポイントで評価します。
重要なことは、その市場はサロンに利益をもたらすのか、実行が可能なのかです。
でなければ行動も起こせず、利益も出ないことになります。

このようにしてターゲットの選定します。ここでイメージするのは顧客のニーズをイメージすることです。

どんな人がサロンを必要としているか。
どんな場面で必要とされるか。

ニーズに仮説を立てます。

ターゲットを選定したらサロンが選ばれるためにすべきことを定めます。

ポジショニング|サロンの立ち位置を定め差別化する

ポジショニングとは競合がひしめく市場のなかでサロンの差別化を図ることです。
この差別化を明確に行うことで顧客にサロンの存在意義を認識してもらい、選ばれるメニューを提供できるギブアンドテイクの関係になれます。

差別化の項目は

・機能面
・サービス面
・イメージ

自社の個性・特徴を構築します。
仮にエステサロンだったとします。
確実に痩せる、が売りと仮定します。
競合ひしめくなかでどのように差別化を図るのでしょう。

 

「機能面」

そのエステサロンに行くと確実に痩せることができますが、加えて付加価値を意識します。
発汗作用のある施術をした場合、新陳代謝がよくなります。
新陳代謝がよくなれば肌もきれいになります。
肌がきれいになると若々しく見えます。
ただ痩せる、というだけでなく、「若々しい健康な身体を手に入れたい」というニーズが存在します。

 

「サービス面」

サロンスタッフがどんな態度で接客するのか。
顧客の要望に応える接客ができているか、また、メニューに対する顧客の声を聞いているか。

 

「イメージ」

顧客の心に残る技術だったか。
顧客の心に残るサロンだったか。
これが以後、顧客のリピートにつながるか否かの分かれ道となります。

 

新陳代謝・肌がキレイ・顧客の要望に応える接客・心に残る。
このようにピックアップしていき、サロンの強みをさらに飛躍させ顧客に訴求していきます。

お気づきの通り、ポジショニングとはサロンの個性を出すということでもあるのです。

それは、ブランディングに繋がります。
ブランディングとは個性ということです。
サロンのもつ独特の個性に顧客は魅力を感じます。
競合サロンが多く存在するほど、サロンは差別化を狙ったブランディングを行うべきでしょう。

なぜ売り上げがあがらないのか?
要因は多々あります。
その中でもマーケティングの初期段階で行われるものを紹介しました。
いかにサロンのサービスがよかろうと、アプローチする相手を間違うとせっかくの苦労も水の泡となってしまいます。

 

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サロンコンセプトの作り方

サロン「コンセプト」の意味

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サロンを開こうとする際に、よく耳にするのが「コンセプト」という言葉です。 辞書を引くと「概念と書かれていますが、サロンづくりの場合は、サロンの「基本的な考え方や姿勢・特徴」という意味で使われます。

開店作業は、サロンのコンセプトに沿って進めていきますので、コンセプトがどれだけしっかり固まっているかで、今後の事業の成功度合いが変わってきます。
もし、サロンのコンセプトが固まっていないと、どのようなお客様をターゲットにするのか、どのようなメニューを提供するのか決められず、出店エリアや店舗の外装・内装などを選定することができません。
まず、ご自身のなかで誰に話してもイメージしてもらえるようなお店のコンセプトを作り上げることが大切です。

「コンセプト」を”5W2H”で考える

コンセプト作りですが、いきなり「コンセプトを作ってみよう」と思っても、何から考えてよいのか分からない可能性があります。
そんなときは、コンセプトを次の”5W2H”に分けて書き出してみると頭の中が整理できます。

?Why(なぜ?)
?What(どんなメニューを?)
?Who(誰に?)
?Where(どこで?)
?When(営業時間は?)
?How(どのように提供する?)
?How much(どのくらいの価格で?)

では、それぞれについて説明していきます。


 

?Why(なぜ?)

まず、「なぜ、このサロンをやりたいのか?」「どのようなサロンにしたいのか?」という想いを表現します。
ここは、今後経営をしていく上で、最も大切な部分となります。

 

?What(どんなメニューを?)

次に、ターゲットにどのようなメニュー(施術)を提供していくのか、看板メニューから書いていきましょう。
ここでの注意点は、自分が行いたいメニューではなく、ターゲットが求めているメニューを考え、ターゲット視点でメニュー開発を行うことです。
ちなみに人気メニューの多くは一般消費者が認知している施術を、そのサロンでしか受けられないメニューに差別化したものです。
既存の施術を、独自の商材の使用、今までとは違った施術方法、インパクトのある提供方法などでアレンジし、他店との差別化を狙うのが必要です。
逆に、新規性を狙いすぎて誰も聞いたことがないようなメニューや施術名から、どんな美が得られるのか想像がつきにくいのは注意が必要です。
当たれば爆発的なヒットにつながる可能性がありますが、浸透させるのにかなりの時間と費用がかかりますので、初めて開業される方にはリスクが大きすぎると思います。
また、コンセプト作りの段階で詳細な施術方法は必要ありませんが、どのようなメニューを提供するのかをある程度決めておかないと、物件探しや備品を購入する際に、必要なスペースや美容設備などの確認ができず困ることになります。

 

?Who(誰に?)

「女性」だけではなく、「年齢」や「ライフスタイル」、「年収」などの属性まで考え、最も来てほしいお客様(メインターゲット)を明確にしていきましょう。
最終的には、メインターゲットの次にお店に来てほしいお客(サブターゲット)をイメージしておくとよいと思います。

 

?Where(どこで?)

どのような立地でお店を開くのかを書きましょう。
メインターゲットとサブターゲットのお客を?で決めていますので、そのお客が存在しているエリア(駅前・住宅街・幹線道路沿いの郊外など)で候補地を絞り込みます。
サロンの立地選びはとても重要なポイントですので、詳しくは立地選定でご説明します。

 

?When(営業時間は?)

何時から何時まで営業するのか?定休日はどうするのか?などを決めましょう。

 

?How(どのように提供する?)

今まで決めてきたメニューをどのように提供するのか(施術時間やサービス方法)を書きましょう。?サービスに力を入れるとお客の満足度は高まりますが、経費も増加します。
経費とのバランスを意識しながらお客に満足していただけるサービスの方法について考えましょう。

 

?How much(どのくらいの価格で?)

次の3点に注意しながらメニューの価格を決めていきましょう。
(ア)原価率(商品の粗利)を意識した価格設定
(イ)単品メニューとしての価格設定(商品単価)
(ウ)お客が最終的に支払う総額としての価格設定(客単価)

お客が「このメニュー、このサービスだったら安かったなぁ」と感じるのは施術時ではなく、代金を支払うときです。
どのようなサービスで見合った料金がいただけるのかを考えるのは重要です。
つまり、お客は会計時にそのお店について評価するということを忘れないようにしましょう。


 

ここまで、5W2Hを使ってお店のコンセプトを作る方法をご説明してきました。
大切なことは、ご自身の頭の中にあるイメージを文字に落として、見える化することです。

そして、???全ての項目に矛盾がないか、誰が読んでも理解できるか、を確認してください。
今後、開業されるにあたって、多くの方々の協力を得ることが必要となってきます。
融資を得る時、物件を借りるとき、工事を依頼するときなど、必ず書き出したコンセプトが役に立ちます。

理想のサロンづくりは、サロンのコンセプトづくりから始まります。

 

GRADBOOK Inc. (グラッドブック)
代表取締役CEO ? 布野哲也 ? ?Funo Tetsuya

GRADBOOK Inc.(グラッドブック)ってどんな会社?

GRADBOOK Inc.(グラッドブック)という会社は、美容室・エステ・ネイル・アイラッシュサロンという美容サロンに対し、開業・経営のサポートをする企業です。

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1 最低限の予算で最高のサロンをつくる

GRADBOOK Inc.(グラッドブック)は美容業界の適正価格を熟知しておりますので、あなたの理想とするサロンが低価格で実現可能になります。

 

2 美容業界に精通している専門チームが強力にサポート

美容業界の開業・経営の重要指数は、他業界と異なります。そこで必要となってくるのは、美容業界を熟知した専門コンサルタントです。

 

3 美容サロンの流行を捉えたトレンド分析

常に最新トレンドを把握・分析し、流行を取り入れた開業・経営サポートを提案いたします。


 

美容サロンの開業・経営に関する情報をどんどん更新していきます。

どうぞよろしくお願いいいたします。

 

GRADBOOK Inc. (グラッドブック)
代表取締役CEO ? 布野哲也 ? ?Funo Tetsuya