投稿者: dansuru_user
「中年男性美容師の将来」のその後
今回は番外編です。
先日、「中年男性美容師の将来」という記事を公開いたしました。
http://gradbook.co.jp/2016/03/23/中年男性美容師の将来/
この記事の中に、「40歳以上の理美容師は6%しか存在しない」という情報を公開していますが、この数字はこの件に関しての統計調査の結果を公開している、理美容ニュースから抜粋しております。
この記事は弊社基準ではありますが、弊社の今までのどの記事よりもPV数が高く、1日で数万のPV数を誇る話題性のある記事でした。
今回は番外編ですが、様々な反応やご意見を頂戴いたしましたので、執筆余話として記事を書かせていただきます。
本当に40歳以上の男性理美容師は6%しか存在しないのか?
40歳以上の男性理美容師が6%という数字は、前述したこの件に関しての統計調査の結果を公開している理美容ニュースから抜粋しております。
政府が2012年2月22日に発表した賃金構造基本統計調査(平成23年)のデータですので、紛れもない事実だということが分かります。
ここで考察するべきなのが、40歳以上の男性理美容師は6%しか存在しないとしても、美容室企業の教育ディレクターや店舗マネージャー、美容メーカーやディーラーなど、美容師プレイヤー以外で美容業界に従事している方々がどれくらい存在しているのか、ということを考えなくてはいけません。
その件に関しては確実な数値を示すものが見つかっておらず、情報公開ができずにいます。
今まで培ってきた経験を同じ業界で発揮できるわけですから、何かしらの形で美容業界に携わっている方々が相当数存在しているのではないかと予測できます。
そして、平成10(1998)年度以降、美容師数は毎年1万人以上のペースで増加した期間があり、その時期の男性美容師が40代に差し掛かろうとしていますので、より40歳以上の男性美容師が増加することも予想できます。
給与だけの問題で美容師を辞めてしまうのか?
「中年男性美容師の将来」の記事は、捉え方によると、94%の美容師がお金がなく辞めてしまうことのような論説になってしまいます。
40歳以上でもプレイヤーとして、一流の美容師さんが多く存在していることは私も熟知しております。
プレイヤーを退き、経営に徹するオーナーや、企業の管理職として働く、元プレイヤーが多く存在しているのも熟知しております。
そこから考察すると、単にお金がなく辞めてしまうのではなく、企業内での昇格や、新たなステージを切り開くためにプレイヤーを退く、と表現した方が良かったでしょう。
誤解を招く表現をしたことをお詫び申し上げます。
様々な方向性
まず考察できるのが、6%のプレイヤーとして活躍している男性美容師の方々は、支持される顧客も多く、生涯プレイヤーとして活躍できる一流の美容師である、ということが考えられます。
一方、94%の方々はそうでないという訳ではなく、プレイヤーは退いたが、長年美容業界に従事したことによる経験や知識を生かし、様々な方向で活躍できる方々と言っていいのではないでしょうか。
理想の将来、理想のサロンとは
弊社は「理想のサロンづくりのブランディングサポート」をしております。
「理想のサロン」と表現すると少し抽象的になってはしまいますが、あえてそのような表現をしております。
なぜなら、理想のサロンという感覚が人それぞれ異なるからです。
多額な広告宣伝費を投入して集客し、指名顧客を獲得し売上を上げ、忙しい日々を送りながら利益をもたらす、それが理想のサロンかどうかというのは人の尺度によって異なります。
もちろん企業は永続的に利益を生み出していくということは重要なことですが、顧客のニーズが様々なように、美容師の将来の考え方も様々です。
一流のデザイナーになり業界を索引していくのか、あるいはプライベートを充実させ彩のある将来にしていくのか、色々な角度から方向性が考えられます。
単に売上を上げることのみに専念するのではなく、その方々、そのサロンの理想の将来に基づいたブランディングが重要だと思っております。
最後に
先日の「中年男性美容師の将来」の記事は、捉え方によるとネガティブな内容になっております。
しかし、そういった情報を知らない方が恐ろしいことだと思います。
知っていると知っていない、では雲泥の差が生まれます。
その記事によって何か答えを見い出したいわけではなく、美容業界にはそのような現状が存在している、ということをお伝えしたかった想いが込められています。
私の会社のホームページにも記載させていただいておりますが、美容サロンに関するすべての情報は包み隠さず公開し、お伝えさせていただきたいと思っております。
そして、皆様とは「本音」のお付き合いができれば本望です。
記事の著者
GRADBOOK Inc. (グラッドブック)
代表取締役CEO 布野哲也 Funo Tetsuya
開業時の融資は1,000万が基準
中年男性美容師の将来
開業時の融資は1,000万が基準
美容サロンを開業する際の悩みの一つに、開業資金はどうやって調達するのか、ということがあります。
全て自己資金で賄うことが可能だったり、身内が援助してくれるケースもあるかと思いますが、開業者の7、8割の方が融資を受けています。
7、8割というと、開業者のほとんどが融資を受けていることになります。
資金調達に関しては様々なケースがありますので、今回は美容室の融資金額にスポットを当てご説明いたします。
美容室の開業金額
今回はあくまで美容室の資金調達の記事です。
エステ、ネイル、アイラッシュなど、業種が違うと異なってきますので、業種ごとの情報は別の記事でお伝えしていきます。
開業者の方は、「果たしていくらかかって、いくら借りられるのか 」と不安に思っている方が沢山いらっしゃいます。
一般的な指標ですが、美容室の開業費用は坪100万円、という目安があります。
10坪で検討している方は1000万円、20坪の場合は2000万円必要だという、単純計算の指標です。
ですが現在は、以前高額だった内装費用や美容機器など、低価格で提供している業者やメーカーが多く存在していますので、坪100万円という指標も薄れてきています。
物件状態や地域、様々なケースにより前後はしますが、坪70〜80万くらいが目安になってくると思います。
この指標でよく間違われるのが、内装金額だと思ってしまうところですが、全ての開業費用である、という認識をお持ちください。
ただし、ケースにより前後する、しかも大幅に前後する場合がありますのでご注意ください。
融資金額1000万円という基準
まず、自己資金が全くないという方はどうあがいても借りられません。
以前にクレジットカードや公共料金等の未払いがあった方も相当厳しくなります。
しっかりと用件を満たし、融資申込みに踏み切ったとします。
一般的には自己資金の倍額の融資申込みが可能です。
例えば、300万円保有している場合、600万円の融資額の確実性が高いように、600万円保有していれば、1200万の融資が降りるだろうと考えます。
しかし、初期開業では1000万円以内の融資という基準があります。
逆を言うと、1000万を超える融資は、ハードルが高くなります。
調達先を日本政策金融公庫にした場合の例ですが、公庫は1000万以内の融資であれば支店での決済が出来ます。
要は、渋谷で開業する場合、渋谷の公庫内で半断ができるということです。
1000万を超えると、渋谷の公庫では判断ができなくなり、さらに上の本店まで案件が回ります。
本店の審査を通過してから融資が降りるというような形です。
本店の審査を通過するためには、かなり綿密にシュミレーションされた事業計画と、場合によっては顧問税理士が必要です。
下記の計算をご覧ください。
・自己資金500万 + 融資額1000万 = 開業資金1500万
・自己資金600万 + 融資額1200万 − 税理士報酬120万 − 顧問税理士費用7年間210万 = 開業資金1470万
顧問税理士費用は運転資金なので開業資金ではありませんが、将来的に負担する額と捉えてください。
1000万以上の融資の希望の場合、審査難易度が高くなるのに加え、税理士報酬や将来的に負担する顧問費用等が発生します。
このことを考えると、初期の開業を検討している方は、1000万以内の融資額で検討するべきです。
今回は開業時の資金調達の一部でしたが、身内からもらったお金は自己資金になるのか?、公庫が難しい場合他に調達方法があるのか?、経営時の資金調達はどうしたらいいのか?、美容室以外ではどうなのか?などなど、今後も情報をお伝えしていこうと思います。
記事の著者
GRADBOOK Inc. (グラッドブック)
代表取締役CEO 布野哲也 Funo Tetsuya
【パンダ所長】美容師の悩みって何だ!
中年男性美容師の将来
美容師という職に就いた方は、20代の駆け出しの頃は遅くまで練習に励み、スタイリストを目指して切磋琢磨していたかと思います。
その夢も叶え30代を過ぎると、将来的にどういった方向性で進んでいけば良いのか、現状のままでいいのか、漠然と不安を抱えながら仕事をしている人も多いようです。
今回は男性美容師さんの将来について考察していきたいと思います。
40歳以上の美容師は全体の6パーセントしかいない
理美容ニュースの記事に、年代別、男性美容師比率が載っています。
それによると20歳〜34歳の男性美容師は約9割を占め、35歳以上になると12%、40歳以上になると6%しか存在しないとのことです。
この数字が示すことはどういったことなのか考えていきます。
40歳から顧客が減少する
今回はプレイヤーとしての考察ですので、美容室オーナーや、企業内で管理職や教育ディレクター、店舗統括責任者などの役職に就いている美容師はいったん置いて考えます。
一技術者としての男性美容師の顧客は40歳を境に下降していくと言われています。
その理由は様々ありますが、一つは新規客の入客が減少する傾向にあるからです。
美容室オーナー側からすると、技術も接客も合わせ持ち、且つトレンドを意識し技術向上に余念のない、将来性もある、いわゆる働き盛りの30歳前後のスタイリストに新規客を担当して欲しいとの心理にかられます。
経験や技術はもちろん30歳のスタイリストよりも勝っていますが、家庭事情や様々な環境を取り巻く40代のスタイリストは、駆け出しの頃のようにがむしゃらに練習したり、自信がトレンドを発信していくというのは薄くなるようです。
様々な側面を加味し、美を提供する場所、と考えると必然的に40代スタイリストの新規客の担当数が減少します。
もう一つの理由に、1日の担当数の限界が出てくることが挙げられます。
体力的な問題と、以前よりも技術スピードが落ちてしまうような傾向が重なり、必然的に1日の担当客数が減少するということです。
以前は1日に何十人と担当していたスタイリストも、確実なものを提供したいという想いと、以前から故意にしている顧客が離れてしまわないようにというような考えもあり、1日の予約数を徐々にセーブしていく方向にあります。
そうすることによって、新規客の入客タイミングも逃し、日に日に顧客が減少する傾向にあるようです。
給料の問題
人は40代に差し掛かると、おのずとお金の工面が必要になる場合があります。
大きくなった子供にかかる費用や、新たに家やマンションなどの購入、様々なイベントごと等、20代・30代では予測もしなかった出費が重なります。
前述で説明したように、顧客が全くの0になるわけではなく、今まで培ってきた信頼のおける顧客は残り売上が立てられますので、金銭的にそれほど難しい状況に陥る訳ではないと推測されます。
しかし美容業界では、年功序列制度を取り入れた給与体系の美容室はほとんど存在せず、売上歩合によって大幅に給与が変動する制度を取り入れているサロンがほとんどです。
美容師の平均年収は約280万、月額で25万ということになります。
顧客が通常スタイリストよりも減少傾向にあるということは、その平均年収よりも給与が下回る可能性が高いと言えます。
仮に40代美容師の平均給与月額が23万円と仮定します。
毎月出費する、子供2人の養育費、家のローン、車のローン、生活費など諸々合わせると、給与面でなかなか厳しい現実が待っています。
40代になると美容師を辞める現実
顧客も減少し、給与も減少してしまうとなると、より良い待遇の場所を求めて転職活動へと踏み切ります。
それが、40代以上の男性美容師比率6%という数字に表れています。
40代になってしまうと、一般的にも転職が困難です。
今までの経験を生かし、美容メーカーやディーラーに転職できる方もいますが、全く畑違いの仕事を0からやり直す方がほとんどです。
しかし、先を見据えた現実を捉えることによって、今まさに何をするべきかが見えてきます。
美容師という職業は、顧客さえいれば100歳までも仕事ができる、定年のない職業です。
40代以上の男性美容師が6%しか存在しない現実を、皆様はどう捉えますか。
※追加記事
より詳細な情報を載せた追加記事を公開いたしました。
「中年男性美容師の将来、その後」
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記事の著者
GRADBOOK Inc. (グラッドブック)
代表取締役CEO 布野哲也 Funo Tetsuya
経歴詐称問題
経歴詐称問題
経歴詐称というのは学歴や職歴を偽ること、もしくは偽って公開することです。
最近では、ショーンKさん(本名:川上伸一郎さん)が、大幅に経歴を詐称し話題になっています。
彼はそういった行為によって全ての仕事を失ってしまいましたが、美容サロンの場合はどうなのでしょうか。
経歴詐称は懲戒解雇
一般的には学歴の詐称がしばしばとりだたされますが、美容サロンにおいて考えられる詐称は職歴です。
職歴や学歴の詐称は重大な非違行為であるとされ、サロンの就業規則において懲戒解雇事由に定められているのが一般的です。
ただし学説の中には、経歴詐称のみで懲戒解雇にするにはいささか厳しすぎるという判断もあり、具体的にサロンの秩序が侵害されたと言える場合でなければ懲戒事由には該当しない、という見解も有力です。
この見解によると、よほどの重要な経歴の詐称でなければ、サロン秩序の具体的な侵害があるとはいえないので、懲戒解雇を課すことには否定的ということになります。
以前にこういった例もありました。
美容サロンでの実務経験があまりないのにも関わらず、5年の経験があるとする虚偽の申請をし、実際にサロンワークを十分にこなすことができなかったスタッフに対して解雇がなされたというケースで、その解雇を有効と認めた例もあります。
このケースでは解雇に止まりましたが、もし懲戒解雇という判断が下されれば再就職ができなくなるほどの重い処分を下されることになります。
オーナー側は見極めが必要
美容サロンは技術提供の仕事である為、仮にスタッフが経歴詐称をしてサロンに入ったとしても、見合う仕事ができていれば問題がないという判断ができます。
しかし、虚偽の申告をしているスタッフに、仕事ができるだけの判断でサロンに勤務させておいていいのでしょうか。
そして注意しなくてはいけないのが、資格を有するべき美容サロンであれば有資格者であることを確認することです。
正社員としていったん雇ってしまうと簡単に解雇することができません。
無資格で雇用してしまい、後に保健所などから指導が入った場合は、営業停止の措置をされるなど、サロンにとって大きなダメージになります。
採用段階で技術のチェックを行うことはもちろんですが、その他の事柄に関しても慎重な判断が必要です。
個人だけでなく業界に多大な悪影響を及ぼす
一昔前に無免許美容師が問題になり、その後は美容業界においての詐称問題は少なくなったと言えます。
しかしそれと同時に美容師ブームも終わり、美容学校へ入学する学生も激減してしまいました。
一度失った信頼は業界にもダメージを与えてしまったのです。
同じように今回のショーンKさんの一件で、経営コンサルタントや専門家などの信頼を失った人々は多いようです。
経歴詐称は個人だけの問題ではなく、時には業界全体にも悪影響を及ぼしてしまう深刻な問題といえます。
記事の著者
GRADBOOK Inc. (グラッドブック)
代表取締役CEO 布野哲也 Funo Tetsuya