ネイリストは本当にいなくなるのか?

以前にオックスフォード大学が、あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」という論文を発表しました。

現在行っている人の仕事が、コンピューターに代替されるという大胆予測の論文が世界でも話題になっています。

その中に美容業界でも「ネイリスト」が消える職業に入っており波紋を呼んでいますが、果たしてその通りなのでしょうか?

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「消える職業」「なくなる仕事」

??スポーツの審判
??レストランの案内係
??電話オペレーター
??レジ係
??ネイリスト
??ホテルの受付係
??データ入力作業員
??簿記、会計、監査の事務員

(一部抜粋)

 

上記は一部ではありますが、将来はコンピューターに代替され、「消える職業」と言われている中にネイリストも入っています。

これらの仕事がなぜなくなるかというと、人工知能を搭載したコンピューターや、細かな作業ができるロボットが開発され、それに取って代わられるであろうと予測しているからです。

 

オートネイルの登場

現にネイル業界では、ネイリストの技術が必要のない、オートネイルという機械が登場しています。

すでに、受付や使い方のレクチャーのみをする案内係りだけが存在するオートネイルサロンも登場しています。

さらに、美容室やアイラッシュの店舗で、待合にオートネイルを設置し、気軽にネイルを楽しんでもらうサービスを導入しているサロンも増えています。

この傾向を見てしまうと、ネイリストが機械に代替されている現状が紛れもなく始まっているということになります。

 

ネイリストは本当にいなくなってしまうのか?

この論文にはネイリストにとって否定的な内容でありますが、現にオートメーション化が行われつつあるということで、信憑性が増してきています。

しかし、どんな否定的な内容でも、この論文を前向きに捉えることで、今まで以上の商品やサービスを提供でき、それこそ、最先端のテクノロジーや時代の流れに負けることがないようにすることが可能だと思います。

 

論文の内容通り、世界最先端の機械を使えば、一流ネイリストの作品と同等のものができるかもしれません。

そして「完成品のみ」だけ見るとしたら、人間より優れた作品、超微細なネイル技術を投入することが可能かもしれません。

しかし、美容の仕事は、単なる技術面だけが重要なのではありません。

しっかりとお客に寄り添い、本当にお客が求めているものを提供できた時、機械にはできない「本物の仕事」ができるのではないでしょうか。

この記事を書いている私はネイリストの知り合いが沢山いますが、私が尊敬するネイリストは、そうした本物の仕事ができる「一流のネイリスト」です。

 

しかし、大学の教授に消える職業と発表されてしまったのは紛れもない事実です。

どんなことからも教訓を得て前に進めていかなければ、何も変化せず、機械に取って代わられるのを待つのみになってしまいます。

皆様は、ネイリストが「消える職業」「なくなる仕事」と言われるのを、どう捉えますか。

 

記事の著者

GRADBOOK Inc. (グラッドブック)

代表取締役CEO ? 布野哲也 ? ?Funo Tetsuya

美容の専門知識を伝えられているか?

美容サロンに顧客が来店したら、まず求めるものをヒアリングすると思います。

それに対して最善の方法を提案すると思いますが、その内容が顧客に伝わっているか疑問に感じたことはないでしょうか?

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ほとんどの顧客は専門知識がない

施術内容に関して上手く説明できなかったり、特殊な技術の提案が難しかったりした経験があると思います。

人は、何か専門的な話を全く知らない人に伝えなくてはいけない時、すごく難しく感じる傾向にあるようです。

なぜかというと、専門知識のない人が、どれぐらいそのことについて知っているか把握していないからです。

美容サロンで働き始め、一度専門家になってしまうと、専門知識が無い状況というのが想像しづらくなります。

 

例えば美容室の場合です。

今業界内でも話題になっている、ブリーチサプリメントという商材があります。

顧客にこの商材が必要と判断し提案する場合、どのように説明しますか?

下記の文章をご覧ください。

「通常、ブリーチ剤と2剤を混ぜると一気に大量の活性酸素が発生し、素早いスピードでメラニンを壊します。そして、その活性酸素はメラニンだけで無く髪の内部のタンパク質も壊してしまうので、大きなダメージの原因となります。しかし、海洋性ミネラルなどが入ったこのブリーチサプリを使う事で、活性酸素の発生量を抑え、スピードも緩やかにすることが可能です。これにより、お客様の髪のダメージを極端に抑える事ができるという、画期的な施術方法ですがいかがでしょうか?。」

一般個客に対してここまでの説明をしてしまうのは稀な例ではありますが、この提案、伝わっているでしょうか?

 

伝える側として注意しなくてはいけないのが、上記のような説明が正しいと思ってしまうことです。

サロンスタッフ同士では専門的な用語が飛び交っても問題ありませんが、その用語を用いても一般個客に伝わっているという思い込みをしてしまうと危険です。

 

この記事を書いている私自身も経験があります。

ヘアカットをするために美容室を訪れた際、カウンセリングしてもらっている中で、下記のような提案をいただきました。

「ご希望のヘアスタイルですと、サイドに角が残ってしまうので、そこはカットさせていただいた方がバランスが良いかと思います。」

こういった提案でした。

正直、仕上がりイメージが全くわかなかったのですが、なんとなく「角が残る」のは嫌だと感じ、提案を受け入れました。

私自身、ヘアスタイルにはこだわりはないのですが、仕上がりがなんとなく違う感覚がし、その美容室にもう一度行くことはありませんでした。

 

専門用語・専門概念の壁

専門家は、数々の専門用語や専門的な概念を生み出します。

専門用語を使うことで俗語とは違う厳密な意味を持たせたり、全く新たな意味を持たせたりすることができます。

専門的な概念は、それそのものが専門研究の成果でもあり、また次のステップへの礎となります。

専門家にとって、専門用語や専門概念は、必要不可欠なものであるのですが、同時にそれらを知らない一般人との距離が開くことになります。

この距離を埋める作業が「教育」や「説明」ですが、距離が開けば開くほど、その難易度は上がり、時間や労力をどんどん要するようになります。

つまり、専門分野が発展していけばいくほど、一般個客との差が開き、距離を縮めるのが難しくなります。

 

美容のプロとしての説明責任

美容のプロとして知識を深めることは必要ですが、その知識を分かりやすく明解に表現し、顧客にきちんと伝わる説明技術が必要不可欠です。

 

美容師であれば下記のような表現をしたことはありませんか?

 

アウトラインを削ることによって・・・・

 

レイヤーを入れることによって・・・・

 

グラデーションで締めることによって・・・・

 

この専門的な表現が、顧客にどのようなイメージを与えているのか、検討が必要です。

 

記事の著者

GRADBOOK Inc. (グラッドブック)

代表取締役CEO 布野哲也  Funo Tetsuya

美容サロンをドタキャンする心理

日々顧客対応をしている中、予約しているお客が時間通りに来店しない、何も連絡なしに来なかった、などがあると思います。

特に、その来店しなかったお客の予約のおかげで、他の顧客を断らざるをえなかった場合は憤りさえ感じてしまいます。

はたしてそれはお客の責任なのでしょうか。

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ドタキャンするにも理由があります。

サロンを予約しているにもかかわらずドタキャンしてしまう理由を並べてみます。

 

・体調が悪くなった

 

・予約日時を勘違いしていた

 

・身内に急な不幸があった

 

・急な仕事が入ってしまった

 

・家族の体調が悪くなった

 

などの理由が挙げられます。

もちろん、美容サロンに行くよりも優先順位が高い事柄が生じると、ドタキャンせざるを得なくなります。

 

では、全くの連絡なしに来店しない人はどうでしょうか。

主な理由は下記2つです。

 

・そのサロンに行くのが面倒になった

 

・他に行きたいサロンができた

 

という理由です。

どちらとも共通して言えるのは、予約日時の前日や直前でそう感じているということです。

 

サロンに行くのが面倒になった

面倒になったというのは言い換えれば、そのサロンに行く必要が感じられなくなったということです。

もちろん予約時は行こうと思っていますが、直前になり、そのサロンに行くことで得られるメリットが感じられなくなり、交通費や時間をかけてわざわざ行く必要があるのか判断し、結果行かないということになります。

もともとルーズなお客も存在はしますが、人は必要であれば必ず得ようとします。

そのサロンに行くのが面倒だ、と思わせてしまうのは、サロンの魅力や必要性、得られるメリットを伝えきれていないサロン側にも原因があるかもしれません。

 

他に行きたいサロンができた

そのような理由があれば予約キャンセルの連絡くらいしてもらいたいところですが、やはりこの理由も直前になって思い立ち行動に移しているので、連絡がないという結果になります。

人は求めることを得るためには比較検討します。

1サロンに限定するのではなく、様々な情報の中であなたのサロンを選びます。

スマホを見れば勝手に情報が入ってくる時代です。

ぱっと目にしたFacebookやインスタグラムなどの記事に、予約したサロンよりも魅力的なお店だという判断ができる情報があれば、直前でもそちらに移ります。

ドタキャンされてしまったサロンは、他の競合サロンよりも魅力を発揮できていない可能性があります。

 

その日の売り上げが悪かったのはドタキャンしたお客が悪い、などのようにその人に責任転換しがちですが、ほとんどの人は理由があり行動に移しますので、ドタキャンという行為をされたらサロンを見直す良いきっかけになるのではないでしょうか。

 

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代表取締役CEO ? 布野哲也 ? ?Funo Tetsuya

指名をつかむ演出

美容サロンは物販店や飲食店、アパレルショップ等と大きく違う点は、人につく商売だと言われます。

もちろん顔なじみの飲食店や仲の良い洋服屋さんに、店員に会いたいから行く、というのはもちろんありえますが、その中でも美容サロンは「この人に施術してほしい」というのが色濃く出る業界です。

何十万人と働いているこの業界で、指名してくれる顧客を獲得することは至難の技といえましょう。

今回は、指名顧客を獲得する演出についてご説明します。

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個人の価値を高める演出方法は下記が挙げられます。

 

1 ?魅せ方

 

2 ?エピソード

 

3 ?アクセント

 

4 ?権威付け

 

5 ?希少化

 

今回は、1の魅せ方についてご説明いたします。

 

個人の魅せ方

指名客を効率的に獲得するには個人を魅力的に見せる演出が必要です。

アパレルショップで例えると、おしゃれにコーディネートされたマネキンのようなもので、最大の魅力を引き出すことによって全ての洋服を買いたくなるような手法です。

個人が最も輝いているシーンを演出すると、価値が大幅に高まり、お客は今後もこの人にお願いしたいという心理にかられます。

 

まず、ある美容師の技術の見せ方の例ですが、カウンセリングで施術イメージがついた後に必ずすることがあるそうです。

それは、目をつむって頭の骨格を触ることです。

骨格を把握するということは重要なことですが、目をつむる必要はありません。

意図的に目をつむることにより、この人はすごい技術者だと思われる演出をしています。

 

技術だけでなく、仕事中のヘアスタイルやファッションなどで演出するのも一つの方法です。

飲食店では、料理そのものではなく、盛り付けや器で価値を上げるというのが非常に効果を上げるように、見た目で信頼を得るのも一つの方法です。

ようは、素で接客するのと、最も輝いているシーンを魅せるのでは、明らかに指名顧客の数が違ってくるということです。

 

何十万人とライバルがいる中で、指名顧客を獲得するには、それ相応の魅せ方という演出が必要です。

ただしここで重要なのは、顧客のニーズにマッチしている魅せ方であることです。

ニーズにマッチしていない見せ方をしてしまうと、逆に信用を失いかねないリスクもはらんでいます。

 

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美容サロンの待ち時間の提示による不満の原因

サロンで働いていると、顧客が来店したのにも関わらず、担当者が別のお客を施術している場合や、自らも手が離せず、顧客をお待たせする場面があると思います。

そんな場合、「少々お待ちください」や「担当があと5分ほどで参ります」など、顧客に待ち時間を知らせる対応をとると思います。

しかしこの待ち時間の伝え方によっては、顧客に不満をもたらせる可能性がありますので注意が必要です。

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5分待つという基準

たとえばあなたが、5分程お待ちくださいと案内され、実際は10分待たされたらどのような気持ちになるでしょうか。

逆に3分だけで済んだとしたらどうでしょうか。

人は誰しも5分待ちと案内されれば、5分後に自分の番がくることを期待し始めます。

ここで5分という時間が顧客の中で基準になります。

この5分より早ければ期待を上回って満足度が向上しますし、逆に5分を大幅に超えれば不満に思います。

ということは、これまでの経験で5分程度の待ち時間が予測される時は、余裕を持った待ち時間の提示をすることにより、不満足を感じる顧客を減らすことが可能になるということです。

 

これは他の場面でも考えられます。

たとえば、お客が問い合わせの電話をしてきた場合、解決に5分程度の時間が予測されたとします。

ある担当者はお客を失望させないために時間を短めに、『2、3分ほどお待ちいただけるでしょうか?』と対応する場合があります。

他の担当者は余裕を持って、『10分ほどお時間をいただけるでしょうか?こちらの方から折り返しお電話差し上げます』と対応する可能性があります。

これらの二通りの対応に対して、同じ5分という解決時間でも顧客の満足度は大きく変わってきます。

前者では満足度を高めようとする行動が裏目に出て『2、3分といったのに5分も掛かって倍近く待たされた』と顧客は思います。

後者では顧客の期待度をあらかじめ低くすることによって『10分と言っていたけど半分の5分で済んだ』と思うでしょう。

いずれにしろ顧客に高いハードルを持たせ、サロンとして応えられる事は当然であり、もし応えられなければ、満足度の低下というダメージを負う事になります。

顧客は事前に情報を与えられると自分の中で基準を設けます。

事前に告知したサロンのサービスがその基準を超えるものであったとしても大幅なものでなければ顧客は提供されて当然と感じますし、基準を超えられなければ失望し不満を感じてクレームの素になってしまいます。

待ち時間の提示のような顧客に情報を提示するサービスであれば、最悪の事態を想定してお知らせするなど、顧客に過度の期待を抱かせないことによって満足度をある程度コントロールすることが可能になります。

 

最後に極論になってしまいますが、そもそもお客を待たせない、待たせても待っているという意識を与えないサロンであれば、何の問題もありません。

 

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代表取締役CEO ? 布野哲也 ? ?Funo Tetsuya