美容サロンにおけるターゲットの選定

技術や接客は問題ないのに集客に結びつかない。
リピートや指名に繋がらない。
なにが問題なのかわからないという人は多いのではないでしょうか。

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集客できない理由がわかれば誰も苦労はしませんが、マーケティング(売れる仕組み)の見直しは必要です。
なぜなら、サロンに興味がある人、必要としている人以外にアプローチしている可能性があるからです。

押しても手ごたえのない顧客に商品訴求しても空振りに終わる可能性が特大でしょう。
顧客の潜在ニーズを掘り起こすことができたとしても、それがコンスタントに続くとは限りませんし、むしろ一回で終わってしまう可能性があります。

まずその原因は、ターゲットの選定にある可能性があります。

ターゲットの選定方法

・セグメンテーション
・ターゲティング
・ポジショニング

というステップを踏んでいきます。

セグメンテーション|顧客のグルーピング

セグメンテーション(細分化)とは市場と顧客をグルーピング(グループ分け・組み分けのこと)するターゲティングの準備段階です。
このセグメンテーションによって方向性の定まった軸をもとにターゲティングを行います。

まずはサロンに最も適合するセグメントを見つけるためにグルーピングをします。
市場をいくつかの軸によってグルーピングしましょう。
グルーピングを行ったら高い可能性で顧客を取り込めそうな市場を探します。

グルーピング・細分化の項目

・地理的変数:居住地域・気候
・人口動態変数:人口数・年齢・性別
・心理的変数:ライフスタイル・社会的地位
・行動変数:購買状況・使用頻度

このように分けてターゲティングにつなげるようにするのがセグメンテーションの目的です。
最も重要視されるのは顧客の心理的変数です。
現在のマーケティングでは顧客の購買決定要因としてみられます。

ターゲティング|サロンの強みを発揮でき、ニーズのある市場を選定

ターゲットの選定です。
セグメンテーションで切り分けられたグループをいくつか選びます。
そこで切り分けられた市場には

・将来性
・サロンの強みは発揮できるか

特に上記2つのポイントで評価します。
重要なことは、その市場はサロンに利益をもたらすのか、実行が可能なのかです。
でなければ行動も起こせず、利益も出ないことになります。

このようにしてターゲットの選定します。ここでイメージするのは顧客のニーズをイメージすることです。

どんな人がサロンを必要としているか。
どんな場面で必要とされるか。

ニーズに仮説を立てます。

ターゲットを選定したらサロンが選ばれるためにすべきことを定めます。

ポジショニング|サロンの立ち位置を定め差別化する

ポジショニングとは競合がひしめく市場のなかでサロンの差別化を図ることです。
この差別化を明確に行うことで顧客にサロンの存在意義を認識してもらい、選ばれるメニューを提供できるギブアンドテイクの関係になれます。

差別化の項目は

・機能面
・サービス面
・イメージ

自社の個性・特徴を構築します。
仮にエステサロンだったとします。
確実に痩せる、が売りと仮定します。
競合ひしめくなかでどのように差別化を図るのでしょう。

 

「機能面」

そのエステサロンに行くと確実に痩せることができますが、加えて付加価値を意識します。
発汗作用のある施術をした場合、新陳代謝がよくなります。
新陳代謝がよくなれば肌もきれいになります。
肌がきれいになると若々しく見えます。
ただ痩せる、というだけでなく、「若々しい健康な身体を手に入れたい」というニーズが存在します。

 

「サービス面」

サロンスタッフがどんな態度で接客するのか。
顧客の要望に応える接客ができているか、また、メニューに対する顧客の声を聞いているか。

 

「イメージ」

顧客の心に残る技術だったか。
顧客の心に残るサロンだったか。
これが以後、顧客のリピートにつながるか否かの分かれ道となります。

 

新陳代謝・肌がキレイ・顧客の要望に応える接客・心に残る。
このようにピックアップしていき、サロンの強みをさらに飛躍させ顧客に訴求していきます。

お気づきの通り、ポジショニングとはサロンの個性を出すということでもあるのです。

それは、ブランディングに繋がります。
ブランディングとは個性ということです。
サロンのもつ独特の個性に顧客は魅力を感じます。
競合サロンが多く存在するほど、サロンは差別化を狙ったブランディングを行うべきでしょう。

なぜ売り上げがあがらないのか?
要因は多々あります。
その中でもマーケティングの初期段階で行われるものを紹介しました。
いかにサロンのサービスがよかろうと、アプローチする相手を間違うとせっかくの苦労も水の泡となってしまいます。

 

GRADBOOK Inc. (グラッドブック)
代表取締役CEO ? 布野哲也 ? ?Funo Tetsuya

サロンコンセプトの作り方

サロン「コンセプト」の意味

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サロンを開こうとする際に、よく耳にするのが「コンセプト」という言葉です。 辞書を引くと「概念と書かれていますが、サロンづくりの場合は、サロンの「基本的な考え方や姿勢・特徴」という意味で使われます。

開店作業は、サロンのコンセプトに沿って進めていきますので、コンセプトがどれだけしっかり固まっているかで、今後の事業の成功度合いが変わってきます。
もし、サロンのコンセプトが固まっていないと、どのようなお客様をターゲットにするのか、どのようなメニューを提供するのか決められず、出店エリアや店舗の外装・内装などを選定することができません。
まず、ご自身のなかで誰に話してもイメージしてもらえるようなお店のコンセプトを作り上げることが大切です。

「コンセプト」を”5W2H”で考える

コンセプト作りですが、いきなり「コンセプトを作ってみよう」と思っても、何から考えてよいのか分からない可能性があります。
そんなときは、コンセプトを次の”5W2H”に分けて書き出してみると頭の中が整理できます。

?Why(なぜ?)
?What(どんなメニューを?)
?Who(誰に?)
?Where(どこで?)
?When(営業時間は?)
?How(どのように提供する?)
?How much(どのくらいの価格で?)

では、それぞれについて説明していきます。


 

?Why(なぜ?)

まず、「なぜ、このサロンをやりたいのか?」「どのようなサロンにしたいのか?」という想いを表現します。
ここは、今後経営をしていく上で、最も大切な部分となります。

 

?What(どんなメニューを?)

次に、ターゲットにどのようなメニュー(施術)を提供していくのか、看板メニューから書いていきましょう。
ここでの注意点は、自分が行いたいメニューではなく、ターゲットが求めているメニューを考え、ターゲット視点でメニュー開発を行うことです。
ちなみに人気メニューの多くは一般消費者が認知している施術を、そのサロンでしか受けられないメニューに差別化したものです。
既存の施術を、独自の商材の使用、今までとは違った施術方法、インパクトのある提供方法などでアレンジし、他店との差別化を狙うのが必要です。
逆に、新規性を狙いすぎて誰も聞いたことがないようなメニューや施術名から、どんな美が得られるのか想像がつきにくいのは注意が必要です。
当たれば爆発的なヒットにつながる可能性がありますが、浸透させるのにかなりの時間と費用がかかりますので、初めて開業される方にはリスクが大きすぎると思います。
また、コンセプト作りの段階で詳細な施術方法は必要ありませんが、どのようなメニューを提供するのかをある程度決めておかないと、物件探しや備品を購入する際に、必要なスペースや美容設備などの確認ができず困ることになります。

 

?Who(誰に?)

「女性」だけではなく、「年齢」や「ライフスタイル」、「年収」などの属性まで考え、最も来てほしいお客様(メインターゲット)を明確にしていきましょう。
最終的には、メインターゲットの次にお店に来てほしいお客(サブターゲット)をイメージしておくとよいと思います。

 

?Where(どこで?)

どのような立地でお店を開くのかを書きましょう。
メインターゲットとサブターゲットのお客を?で決めていますので、そのお客が存在しているエリア(駅前・住宅街・幹線道路沿いの郊外など)で候補地を絞り込みます。
サロンの立地選びはとても重要なポイントですので、詳しくは立地選定でご説明します。

 

?When(営業時間は?)

何時から何時まで営業するのか?定休日はどうするのか?などを決めましょう。

 

?How(どのように提供する?)

今まで決めてきたメニューをどのように提供するのか(施術時間やサービス方法)を書きましょう。?サービスに力を入れるとお客の満足度は高まりますが、経費も増加します。
経費とのバランスを意識しながらお客に満足していただけるサービスの方法について考えましょう。

 

?How much(どのくらいの価格で?)

次の3点に注意しながらメニューの価格を決めていきましょう。
(ア)原価率(商品の粗利)を意識した価格設定
(イ)単品メニューとしての価格設定(商品単価)
(ウ)お客が最終的に支払う総額としての価格設定(客単価)

お客が「このメニュー、このサービスだったら安かったなぁ」と感じるのは施術時ではなく、代金を支払うときです。
どのようなサービスで見合った料金がいただけるのかを考えるのは重要です。
つまり、お客は会計時にそのお店について評価するということを忘れないようにしましょう。


 

ここまで、5W2Hを使ってお店のコンセプトを作る方法をご説明してきました。
大切なことは、ご自身の頭の中にあるイメージを文字に落として、見える化することです。

そして、???全ての項目に矛盾がないか、誰が読んでも理解できるか、を確認してください。
今後、開業されるにあたって、多くの方々の協力を得ることが必要となってきます。
融資を得る時、物件を借りるとき、工事を依頼するときなど、必ず書き出したコンセプトが役に立ちます。

理想のサロンづくりは、サロンのコンセプトづくりから始まります。

 

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代表取締役CEO ? 布野哲也 ? ?Funo Tetsuya